スギ
我々造園屋は、と言うより私個人としてのキャリアの中でも、今までありとあらゆる樹木や植物、普段目にする庭木は無論のこと、沖縄など亜熱帯の特殊な樹木(温室内)や外国産の熱帯植物(温室内)、屋上や壁面での緑化、法面の植栽、緑化など多岐にわたる種類の樹木、植物を扱ってきましたが、今回の樹木は割と普通に目にする樹木でありながら、そういえば植えたことないな、と思った植栽工事でした。
場所は市貝町にある酒造会社内。とここまで言えば、栃木県東部周辺の方ならお分かりの方も多いかと思いますが、そこでスギを植栽してきました。
スギ自体珍しくもなんともありませんし、スギを仕立てて作った「ダイスギ」は植えたことはあったのですが、純粋に「スギ」を植えたのは今回が初めて。
知り合いの、樹木材料を扱っている方数人に問い合わせたのですが、「緑化用のスギは無い」との回答でした。確かに自宅や公共の場所にスギを植える、という話を聞いたことがありませんでしたし、需要がない以上、生産者も作る筈がありません。
唯一、林業関係で植林用の苗木を生産しておられるとのことでしたが、今回のお施主様の希望はあくまで成木としてのスギ。「ダイスギ」では無いとの事。
結局、全国規模の材料問屋さんで探していただいて、スギは無事見つかり、事なきを得ました。
こうしていざ植えてみると案外いいものだな、と思いました。
敷地が大きくないとなかなか植えられない樹木ではありますが、昔から日本人には馴染みの深い樹木だからか、何となく心和む雰囲気が感じられる気がしました。私自身が花粉症ではない、と言う事も関係しているかもしれません。
最近ではいわゆる「コニファー類」として針葉樹が用いられ人気が高く、洋風のお庭やクリスマスツリーとして植えたり、生垣材料としても多く使います。多くの針葉樹は花も目立たず、葉が落ちるのも落葉樹に比べて少ない、病害虫が少ない、刈込に耐える、色のコーディネイトがし易い、などといった所が人気の理由かと思います。また使われている種類も在来のものでない事が多いでしょう。
特に住環境の面でいえば、和風の住宅より圧倒的に洋風の住宅が多い事や、住宅に合わせて洋風の庭が多い事が大きいでしょう。また、和風庭園があまり好まれない事や、ガーデニングブームなども遠因として挙げられます。
しかし、昔からよく使われてきた在来の針葉樹も、今回のスギのように改めて見てみると、在来の樹木にしかない味わいというか、親しみ易さや自然な雰囲気のような、独特の存在感を醸しているような気がしてなりません。マツ、イチイ、カヤ、ヒバ類、ビャクシン、コウヤマキ、挙げれば結構ありますね。
今度外構工事の提案の中に入れてみようかな?と思いましたが、やっぱり今の時代には合わないかな?
足元にはコグマザサを植えて、マルチング材を敷き詰めて仕上げてきました。
在来の針葉樹を見直すいいきっかけとなり、良い経験をさせていただきました。感謝感謝。
場所は市貝町にある酒造会社内。とここまで言えば、栃木県東部周辺の方ならお分かりの方も多いかと思いますが、そこでスギを植栽してきました。
スギ自体珍しくもなんともありませんし、スギを仕立てて作った「ダイスギ」は植えたことはあったのですが、純粋に「スギ」を植えたのは今回が初めて。
知り合いの、樹木材料を扱っている方数人に問い合わせたのですが、「緑化用のスギは無い」との回答でした。確かに自宅や公共の場所にスギを植える、という話を聞いたことがありませんでしたし、需要がない以上、生産者も作る筈がありません。
唯一、林業関係で植林用の苗木を生産しておられるとのことでしたが、今回のお施主様の希望はあくまで成木としてのスギ。「ダイスギ」では無いとの事。
結局、全国規模の材料問屋さんで探していただいて、スギは無事見つかり、事なきを得ました。
こうしていざ植えてみると案外いいものだな、と思いました。
敷地が大きくないとなかなか植えられない樹木ではありますが、昔から日本人には馴染みの深い樹木だからか、何となく心和む雰囲気が感じられる気がしました。私自身が花粉症ではない、と言う事も関係しているかもしれません。
最近ではいわゆる「コニファー類」として針葉樹が用いられ人気が高く、洋風のお庭やクリスマスツリーとして植えたり、生垣材料としても多く使います。多くの針葉樹は花も目立たず、葉が落ちるのも落葉樹に比べて少ない、病害虫が少ない、刈込に耐える、色のコーディネイトがし易い、などといった所が人気の理由かと思います。また使われている種類も在来のものでない事が多いでしょう。
特に住環境の面でいえば、和風の住宅より圧倒的に洋風の住宅が多い事や、住宅に合わせて洋風の庭が多い事が大きいでしょう。また、和風庭園があまり好まれない事や、ガーデニングブームなども遠因として挙げられます。
しかし、昔からよく使われてきた在来の針葉樹も、今回のスギのように改めて見てみると、在来の樹木にしかない味わいというか、親しみ易さや自然な雰囲気のような、独特の存在感を醸しているような気がしてなりません。マツ、イチイ、カヤ、ヒバ類、ビャクシン、コウヤマキ、挙げれば結構ありますね。
今度外構工事の提案の中に入れてみようかな?と思いましたが、やっぱり今の時代には合わないかな?
足元にはコグマザサを植えて、マルチング材を敷き詰めて仕上げてきました。
在来の針葉樹を見直すいいきっかけとなり、良い経験をさせていただきました。感謝感謝。
by garden-quercus
| 2014-12-15 20:37
| 仕事